先日のメキシカン料理記事やLA旅行記などで度々「ヴィーガン」という言葉を使っているけど、日本人にはスーッと頭に入りづらい言葉かも。
今日からヴィーガンの記事をいくつか続ける予定だから、まずは簡単におさらいから。
と言うことで、今日はベジタリアンやヴィーガンの種類と違い、その背景を説明してみますね。
ベジタリアンとヴィーガンの違い
ベジタリアンとヴィーガン、どちらも基本的には菜食主義。
動物性の肉を食べず、野菜や豆類を主食とする人たちのこと。
ヴィーガンはその上、卵や乳製品、はちみつ等の動物性食品も一切口にしない”完全菜食主義者”。
ベジタリアンは、大きく分けて3数種類にタイプが細分化されている。
欧米のベジタリアンの大半は、植物性食品に卵と乳製品を加えたラクト オボ ベジタリアン。
ヴィーガンとベジタリアンの食事を、制限が厳しい順に挙げるとこうなります。
・ヴィーガン(植物性食品のみ)
・ラクト ベジタリアン(植物性食品、乳製品)
・ラクト オボ ベジタリアン(植物性食品、乳製品、卵)
・ペスコ ベジタリアン(植物性食品乳製品、乳製品、卵、魚)
ちなみにベジタリアンの”ベジ”とは、野菜のベジタブルという意味ではない。
1847年にイギリスのベジタリアン協会が考えた造語で、「健全な、活力のある」という意味を持つラテン語のvegetusが語源。
また近似ジャンルとして混同しやすいワードに「マクロビオティック」や「オーガニック」などがあるが、これは菜食主義を意味する言葉ではないので注意。
マクロビはアメリカから広まった考え方だけど、実は日本人が考案したもの。
健康的に生きるための思想と実践方法で、肉食を避けること自体が軸になっているわけではない。
基本的には玄米を主食とした菜食を推奨しているが、ときに白身の魚や小魚を食べる場合もある。
オーガニックは、訳すると「有機」という意味。
化学肥料や農薬に頼らず、できるだけ自然本来のチカラで育てた農作物のこと。
ベジタリアンには健康志向の人も多いのでオーガニック食材を好んで使う場合も多く、知らない人とっては菜食主義と同義だと混同しやすい。
なぜベジタリアンになるのか?
ざっくり分けると、なぜベジタリアンであるかは3タイプ。
・宗教
宗教によっては菜食を推奨するものもある。
例えばキリスト教やヒンドゥー教や仏教の、一部の宗派など。
・思想
個人的な思想や価値観によってベジタリアンになる人もいる。
地球の環境保護のためには肉食をやめるべきと思う人や、動物を殺したり苦しめてはいけないという動物愛護の観点など。
・健康
ヘルシーな菜食は心身健康的に良いという考えや、ダイエットのため。また肉や乳製品が体質的に合わない人など。
ベジタリアンは身体的な健康に、ヴィーガンは精神的な健康にウエイトを置いている印象。
また比較的制限の緩いベジタリアンから始め、徐々にヴィーガンに移行していくタイプの人も多い。
きっとベジタリアンという食生活を取り入れるうちに、さまざまな思想も複合的に絡んでいくからでしょう。
日本でも昔から、精進料理というベジタリアンの食文化がある。
肉・魚・卵は食べず、ニンニクやネギなどにおいや刺激の強い食材も使用しないで作る料理。
“精進”という言葉は、仏の教えによって仏道修行に努めること。
修行に専念するための食事は、必要のない殺生を避け全ての命に感謝できるようにという考え方から。
急増するヴィーガンの人口と若者の価値観
wikipediaによると、ヴィーガンの人口は増え続けている。
例えばアメリカでは、ヴィーガンの比率は2009年には1%だったけど、2013年には2.5%、2017年には6%と10年弱で6倍に増加。
主要国をいくつかピックアップすると、割合はこんな感じ。
・イギリス:7%
・アメリカ:6%
・ドイツ:1.6%
・スイス:3%
・日本:2.7%
(データ調査は2016-2018年の範囲)
国別ではイギリスがトップ。7%ということは、10人集まるだけで1人ヴィーガンがいる場合も多いということ。結構な割合だよねw
アメリカもヴィーガン大国と言える。特にLAを中心とした西海岸側ではヴィーガン文化がより成熟している。
近年欧米では、完全菜食が社会的に受け入れられるようになり、ヴィーガン料理のメインディッシュも一般的になった。
レストランやファストフードのチェーンでも、料理メニューにヴィーガン向けの表示を掲載する店も増えてきている。
また、フレキシ ヴィーガン(flexi vegan)という考えも広まってきている。
「柔軟な」という意味を持つ言葉からも分かるように、日常生活を送る上で無理のない範囲で、自分にカスタマイズした菜食を取り入れること。
ヘルシー志向やエコロジーな思想を持つ、特にミレニアム世代の若者に多い。
著名なベジタリアン・ヴィーガン
最後に、ベジタリアンあるいはヴィーガン、菜食主義である(あった)著名人をいくつか挙げるね。
海外
・アルバート アインシュタイン(理論物理学者)
「人間の健康を高め、地球生命の存続を確かなものとする点で、菜食に勝るものはない。」と述べている。
・トーマス エジソン(発明家)
菜食主義者だったが、後に完全菜食主義者ではなくなった。
・スティーブ ジョブズ(実業家)
厳格なヴィーガンとして知られている。
晩年は健康上の理由から動物性タンパク質を摂る必要性を感じ、魚介類に関しては口にするようになった。
・ベンジャミン フランクリン(政治家・外交官)
16歳から菜食主義者となった。
「軽い食事のおかげで、私は頭脳がより明晰になり、理解力も早くなって、大変な進歩を遂げる事ができた。」と述べている。
・プリンス(歌手)
菜食主義で、赤肉なども避けるとテレビのインタビューで答えている。2006年に最もセクシーなベジタリアンに選ばれた。
・アリシア キーズ(歌手)
2009年12月9日発行の「US Weekly」で、自身がベジタリアンであることを公表。
国内
・宮沢賢治(詩人・童話作家)
研究者の作成した年譜によると、1918年4月頃から菜食生活を開始し、以後5年間続けたと記されている。
・藤子不二雄A(漫画家)
思想上の理由でなく、実家が曹洞宗の寺院で幼少の頃は精進料理ばかり食べていたため、肉や魚を体が受け付けなくなっていることが原因だという。
・フジ子 ヘミング(音楽家)
菜食主義者、クリスチャンとして知られ、「食物の中で特に好むのはじゃがいもである」と語っている。
・Zeebra(歌手)
ラスタファリ運動に影響を受けており、牛肉や豚肉類はまったく食べない、と言われている。
・錦戸亮(歌手 所属 関ジャニ∞)
肉や魚をほとんど食べない。特定の肉や魚を食べる事は出来るが、大量に食べると体調を崩してしまう体質だという。
本日のケツ論。
今年、2020年は日本でオリンピックが開催され、多くの外国人が日本にやってきます。
また、私たちも旅行として海外に行きヴィーガンの人に接する機会もあるかもしれません。
ヴィーガンの食文化とグローバルな流れを理解しておくことは、ヴィーガンでない人にとっても大切。
まずは文化や価値観を「知る」ことから、コミュニケーションは始まると思う。
今回の記事は、まさに知ることを重視した内容。
次回はヴィーガンの思想について、個人的な意見を交えてもっと深く掘り下げてみるね。
では股\(^o^)/
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(関連してないやん!という意見は受けつけてましぇん)