流行色はあらかじめ決まっている
以前にも書きましたが、世の中の「流行色」「トレンドカラー」はその年の2年前にあらかじめ決められています。
要は、街角のストリートや消費市場から自然発生的に流行色は生まれるのでなく、意図的に生み出されているのです!
それが16ヶ国が加盟する国際的な組織、「インターカラー(国際流行色委員会)」。
パリで開かれる世界会議では16ヶ国の代表機関からの提案色を一つ一つ討議して、「2年後の色のテーマ」を大まかな範囲で選定します。
(1色だけの決定でなく、鮮やかか淡いか、透明感があるかくすんで落ち着いた色調か、などの色のグルーピングがメイン)
インターカラーに参加している各国では、この選定色のテーマを元に、1年後の実需期にトレンドとなるカラーを絞り出します。
(例えばフューシャピンクなど、実際の色名などの発表)
詳しくはコチラ
日本で主に、「流行色」の大きな指標になる機関は2つ。
・JAFCA(ジャフカ) - 正式名称は一般社団法人日本流行色協会。
・PANTONE(パントン) - アメリカを母体とする会社で、世界中で色見本帳が使用されている。
JAFCAからは毎年11月に、PANTONEからは毎年12月に、翌年の流行色を発表しています。
この色は、ファッションなどの特定の分野に向けたものではなく、その年のムードを象徴するさまざまなキーワードを包含したテーマカラー。
なぜなら、流行する色はその時々の時代や社会のムード、人々の意識と関連が深いからです。
それでは1つずつ見ていきましょう!
2019年の流行色
JAFCA:「アウェイクニング・オレンジ Awakening Orange」
ハッと思わせるような鮮やかで明るいオレンジの色合い。
Awakeningとは「覚醒」「気づき」という意味を持つ言葉。
平成が終わり元号が変わる2019年、「気づき」を持って新しい時代に向かうさまを、快活なオレンジで表現しています。
躍動感を演出し、生き生きとした生命の力を感じさせる、新しい時代を迎えるのにふさわしいエネルギッシュなカラーリングです。
PANTONE:「リビング・コーラル Living Coral」
生き生きとしたサンゴをイメージした、明るく柔らかな色合い。
PANTONEはこの色を「気軽で幸福な色」「楽観主義と楽しさの探求という生まれながらの必要性の象徴」と表現しています。
絶えず変化する環境の中でも、陽気に積極的に生きていこうという人間味を感じる性質、それを反映した温かみのあるカラーリングですね。
2018年の流行色
去年の流行色とも少し比較をしてみます。
JAFCA:「ビジョナリー・ミント Visionary Mint」
透明感があり清々しい、気分をリフレッシュさせてくれるような清涼感のある色合い。
昨今では、世の中にはこびる古くからの悪しき慣習や常識がパワハラやセクハラとして認められるなど、次々と闇の部分が明るみに出されます。
こうした混迷を極める時代の中で、行く先を示す一筋の希望の光を象徴するような、揺れ動く時代に生きる私たちの想いを反映したカラーリングです。
PANTONE:「ウルトラ・ヴァイオレット Ultra Violet」
深みがあり、神秘的な印象も与えてくれる鮮やかなパープルの色合い。
これまでも、紫色はスピリチュアルで神秘的な色としても使われており、先見性や独創性を表現してきました。
広大で無限に広がる宇宙のように、現実的な世界を超えて新たな知識を追求するという欲求を象徴するカラーリングです。
まとめ
色は、その時代を生きる人々の気分と密接に関わっています。
2つの機関が発表した流行色は、「オレンジとコーラルピンク」「ミントグリーンとバイオレット」のように結構差がありますね。
ですが「将来への方向性」というキーワードとしては、似ている空気感を表現しているように思います。
2020年の東京オリンピックへ向けて、また新元号の最中の日本へ、来年の流行色の発表も今から楽しみです。^^
では股\(^o^)/