直感とセンスのみで今まで生きてきた私の、「論理的にアウトプットして自分の知識を増やそう!計画」記念すべき第1弾です。(→過去記事参照)
いつまで続くかは、私の気分次第w The自己満のブログでございやす。
まずは私が最も苦手なコンピューターの範囲から。
最近よく、ニュースやネットでも「量子コンピューター」って聞きますよね。
でも、今までのコンピューターと一体何が違うの?って疑問に思っていました。
得た知識を、私のようなタイプの人にもできるだけ簡単に理解してもらえるよう、意識して書いてみますね。
よーし!これも文章の練習、練習!
ではレッツゴー♪
- 量子コンピューターとは
- 量子コンピューターが大量のデータを高速に処理できる理由
- 組み合わせ最適化問題とは
- 開発の困難性
- 実現化はどこまで進んでいるのか
- 量子アニーリングマシンの仕組み
- 量子アニーリングマシンの性能の進化
- まとめ
量子コンピューターとは
現在、AI(人工知能)の研究開発は第3次ブームを迎えています。
この背景には、コンピューターの性能の劇的な向上、インターネットの普及にともないビッグデータの蓄積、そしてビッグデータを有効にあつかえる「機械学習」や「ディーブラーニング(深層学習)」といった計算手法の登場があります。
それにともない急速に注目度が高まっているのが、「量子コンピューター」です。
量子コンピューターは、原子や電子、光子などのミクロな粒子に特有の「重ね合わせ状態」という現象を利用することで、超光速に計算処理を行えるとされるコンピューターです。
実現すれば、従来のコンピューターとは比べものにならない大量のデータを、同時並行的に計算できるようになると考えられています。
量子コンピューターが大量のデータを高速に処理できる理由
普段私達が使用しているコンピューターは「0」と「1」の2進法で表現する「ビット」を使って計算処理を行っています。
コンピューターの中では「0」を電流が流れていない状態、「1」を電流が流れている状態とし、電流のオン・オフを制御することでビットの値を書き換えながら計算処理を実行しています。
ポイントとなるのは、ある瞬間において、ビットの値は「0」か「1」のいずれかしか取ることができないということです。
それに対し、量子コンピューターでは、「量子ビット」を使って計算処理を行っています。
ビットとの違いは、量子ビットは「0」と「1」という2つの状態を同時に取ることができるということです。
電子の自転(スピン)などを使ってつくる中間的な状態、これを「重ね合わせ状態」と呼びます。
量子コンピューターが既存のコンピューターとは比べものにならないほど高速に、大量のデータを計算処理できる、最大の理由に繋がっています。
掛け合わせの数や速さが驚異的になります。
組み合わせ最適化問題とは
現在、人工知能の性能向上のカギをにぎっているのは、「組み合わせ最適化問題」だそうです。
これは、あたえられた条件の下で、膨大にある組み合わせの中からベストな組み合わせを探しだすというものです。
分かりやすい例を2つ挙げます。
コンピューター将棋
ニュースでもよく、AIコンピューターと人間による、将棋の対戦が話題になりましよね。
最近でも2017年5月、将棋棋士の佐藤天彦名人とAIのポナンザ(PONANZA)が対戦し、将棋界の頂点に立つ名人の敗北が決まりました。
コンピューター将棋でも、人工知能を使っていて、膨大な数の指し手の中から 最適な指し手を瞬時に選び出しています。
しかし、まだ既存のコンピューターでは「厳密解(正解)」を導きだすことは難しいとされています。
現実的には、計算時間を制限するなどして、その中で導き出された「近似解」をとりあえずの解とする妥協策を取っています。
自動車の自動ルート検索
人工知能を使った車と自動運転機能を結びつけることによって、最短ルートで行くことがより便利になります。
例えば、家族旅行などの際に、行きたい観光名所やレストランをあらかじめ入力しておくだけで、車が渋滞などを考慮した最適ルートを見つけだし、勝ってに連れていってくれます。
組み合わせ最適化問題を高速に計算処理できるようになれば、私たちはただ車に乗っているだけでよくなりますね。
開発の困難性
量子コンピューターの開発は困難をきわめています。
最大の理由の1つは、量子ビットの重ね合わせ状態を保つことができる時間が非常に短く、重ね合わせ状態がすぐ壊れてしまうことにあります。
熱や周囲のちょっとしたノイズでも簡単に壊れてしまう上、壊れる理由も十分に解明されていません。
これでは、計算処理が行えないですよね。
また、搭載する量子ビット数は多いほど性能が高まりますが、絡み合った量子ビットのかたまりをつくるのが困難です。
2017年現在、Google研究者らが開発した量子コンピューターの9量子ビットが最高ですが、実用化に向けては、10万~1億個の量子ビットにする必要があると言われています。
実現化はどこまで進んでいるのか
量子コンピューターの原理は1985年に考案されましたが、開発はきわめて難しく、実用化までには50年以上かかると思われていました。
そんな中、2011年に突如、カナダのベンチャー企業 D-Wave Systems(以降D-Waveと表記) が「量子コンピューターの開発と商品化に成功した」と発表しました。
さらに、2013年にはNASAとGoogleがこの量子コンピューターを共同購入しました。
この新型の量子コンピューターは、「量子アニーリングマシン」と呼ばれています。
また 従来から研究が進められてきた量子コンピューターとは、まったく異なる原理で動作しています。しかもその原理の基本理論を考えたのは日本人です。
以降、従来の量子コンピューターを「量子コンピューター」、D-waveが開発したものを「量子アニーリングマシン」と区別して表記しますね。
量子アニーリングマシンの仕組み
上記で 組み合わせ最適問題 について説明しましたが、D-Waveが開発した量子コンピューターの最大の特徴は、組み合わせ最適化問題に特化した専用機なんです。
そのため、既存のコンピューターのような汎用性はありません。
「アニーリング(annealing)」とは、金属の熱処理の技法のことです。
「焼きなまし法」といって、日本でも古くから日本刀の製造などに用いられてきました。
鉄などの金属はいったん熱を加え、徐々に冷やしていくことで、靭性(亀裂の入りにくさ)などの性能を高めることができます。
熱を加えると、金属内部のひずみが除去され、金属の原子同士や、微量に含まれる酸素や炭素といった他の原子との結合や配置が整い、より安定した結晶構造になります。
組み合わせ最適化問題は、この焼きなまし法の考え方を使って解くことができます。
ただ、現実的な時間内で最適ルートを見つけ出すのは不可能です。
そこで打開策として考えられてきた計算方法の手法の1つが、「シミュレーテッド アニーリング(擬似焼きなまし法)」です。
D-Waveは、シミュレテーッド アニーリングに対し、より高速かつ高確率で最適解にたどり着く理論を発見し、ハードウェアに実装しました。
それが「量子トンネル効果」で、ミクロな粒子がもつ ゆらぎ の効果を利用する、量子学特有の現象です。
量子アニーリングマシンの性能の進化
従来のコンピューターのCPUに相当する部分が、「超電動回路」で、量子アニーリングマシンの心臓部です。
超電動回路には、重ね合わせ状態を実現する量子ビットが搭載されていますが、性能は日々進化しています。
・2011年の第一世代は128量子ビット
・2013年の第二世代(NASAとGoogleが購入したもの)が512量子ビット
・2015年に商用化された第三世代「D-Wave 2X」が1152量子ビット
・2017年に商用化された最新の第四世代「D-Wave 2000Q」は2000量子ビット
と、着実に性能が向上しています。
従来の量子コンピューターがまだ9量子ビットしか実現していないのに対し、量子アニーリングマシンが2000もの量子ビットを実現しています。
現在、量子アニーリングマシンの研究開発は、北アメリカを中心に進められていますが、日本も傍観しているだけではありません。
2016年6月、「組み合わせ最適化処理に向けた革新的アニーリングマシンの研究開発」という国家プロジェクトがスタートしました。
日本でも総力を挙げて技術革新が進むことに、今後も期待していきたいですね。
まとめ
近い将来、組み合わせ最適化問題のプロセスだけを量子アニーリングマシンに担わせ、それ以外の部分は既存のコンピューターで処理するといったハイブリッドな使われ方が一般的になると予想されています。
より便利な世の中になる日は、そう遠くないかもしれませんね。
うーん。すごい!!
では股\(^o^)/
<おまけ。量子コンピューターについて書かれた本をいくつか紹介>
この記事を読んでも足りない人、もっと勉強したい人はこちらをどうぞ。
評価が良いものを抜粋しました。↓
・量子コンピュータが人工知能を加速する(Kidle版)
・量子コンピュータとは何か

量子コンピュータとは何か (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)
- 作者: ジョージ・ジョンソン,George Johnson,水谷淳
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・量子コンピュータ-超並列計算のからくり