菜食主義という点でベジタリアンやヴィーガンについていくつか記事を書いたけど、その思想は食以外の生活全般にまで及ぶ。
動物愛護の観点から、クルエルティフリーの波が欧米で普及していることを伝えたいです。
まずはこの記事を読んでからのほうが理解しやすいかもしれません~
- 食以外のヴィーガニズム
- クルエルティフリー(cruelty free)とは
- 動物性由来の成分
- 動物実験に代わる新たな商品開発方法の進化
- 世界の流れ、急速に普及するクルエルティフリー商品
- 日本の現状
- 本日のケツ論。
食以外のヴィーガニズム
ヴィーガンの中には、食事が完全菜食主義であるのはもちろんのこと、動物由来の製品を使用しない人たちも存在します。
例えばミンクのファーマフラーや牛革の財布などはもちろん、動物実験を経て世に出たスキンケア商品や化粧品なども含まれる。
このいった思想をヴィーガニズムとも呼び、この思想を実践する人たちをエシカル ヴィーガンと区分します。
クルエルティフリー(cruelty free)とは
crueltyは直訳すると「残虐性」という意味。
つまりクルエルティフリーとは、商品の成分や商品開発の実験過程で、動物を殺したり傷つけないことを示すポリシーのこと。
なぜこういったポリシーの商品が生まれたか?それは動物保護や動物権利の観点から。
私たちが普段使用する多くの化粧品メーカーにおいて、動物実験は当たり前に行われています。
ウサギやモルモットに強制的に、口から薬品を投入したり、毛を刈り皮膚に直接試験物質を塗布したり、目に化学物質を注入したり…
シャンプーや口紅など日用品は、まず動物実験で毒性がないか調べられた上で、私たち消費者に届けられている。
クルエルティフリーの思想は、私たちが直接目で見えないところでも動物を苦しめないことを選択する生き方と言えます。
動物性由来の成分
ここで気をつけなければいけないのは、決してヴィーガンとクルエルティフリーは同義ではないということ。
一概にクルエルティフリーの商品と言っても、動物実験をせず開発をしても、製品の原材料には動物由来の成分が含まれている可能性があります。
また世の中には製品の原材料が植物性でも、動物実験を経て開発している商品もあるので混同しやすい。
動物由来の成分の一例として、こういったものが挙げられます。
・ミツロウ:蜂が分泌する巣の材料
・コラーゲン:脊椎動物の真皮・靭帯・軟骨等のタンパク質
・グリセリン:獣脂を加水分解したもの
・ケラチン:動物の角や毛のタンパク質
・スクワラン:サメの肝臓の油脂
・ラノリン:羊毛の油脂
・エラスチン:牛の靭帯や大動脈
・つけまつげ・まつげエクステ:ミンクやセーブルなどの毛
・化粧用ブラシ:リスやイノシシなどの毛
エシカル ヴィーガンには、クルエルティフリーかつ全成分植物性の商品を選ぶ場合が人が多い。
なぜなら、動物の犠牲を一切排除する思想を持つ人が多いからです。
こういった条件を全て満たした商品を示すものとして、「ヴィーガントレンドマーク」というものがあります。
ウサギのロゴが特徴的。
このマークは、完全にヴィーガンフレンドリーな商品。
動物実験は無し、また動物由来の成分は一切不使用で、全成分が植物性である商品です。
動物実験に代わる新たな商品開発方法の進化
そもそも一般的な化粧品に幅広く使われている商品の成分は、既に人体への安全性や有用性が確認されています。
よほど画期的な成分でない限り、新しく動物実験をする必要は無い。
化粧品の多くは美を追求することが目的だけど、「より美しくなるために、そうまでして動物を犠牲にしたくない」という価値観を持つ人も多い。
動物実験に代わる新たな開発方法として盛んなのが、生きた動物を使用しない試験方法です。
その方法とは培養細胞を使った化学物質の試験や、コンピューターシミュレーションの毒性検査など。
これらは倫理的な問題以外にも、試験物質や有毒廃棄物が少量で済み、経費と時間の大幅削減にも繋がっている代替法。
世界の流れ、急速に普及するクルエルティフリー商品
EU加盟国では、1970年代頃から消費者による動物実験反対運動が盛んでした。
そしてその声は政治にも影響し、多くの化粧品ブランドやメーカーが方針転換してきた歴史があります。
2004年:EU内での化粧品完成品の動物実験を禁止
2009年:EU内での化粧品原料の動物実験を禁止
2013年:EU内での化粧品のいかなる動物実験も例外なく完全禁止
といった法案が施行されています。
アメリカでは、先日の記事でも書いたようLAを中心とする西海岸側はヘルシー志向やエコロジー志向の人が多く、ヴィーガン人口の多いエリア。
カリフォルニア州では、2018年に動物実験を経た化粧品の販売が禁止する法案が可決、今年2020年の1月1日から施行されています。
クルエルティフリーの市場はまだニッチな分野とは言え、ヴィーガン比率の高い若者世代を中心に強く支持されています。
アーティストやモデルなど、インフルエンサーたちにもクルエルティフリーを実践する人も増えつつある。
若者世代が得意とするSNSでの拡散効果も考えると、今後普及スピードはさらに加速すると予測されています。
日本の現状
世界では、クルエルティフリー商品を使用する人はまだまだ少数とは言え、その注目度は高いです。
それに比べ日本ではまだ、クルエルティフリーという言葉ですらも浸透していない。
化粧品メーカーにおいても動物実験は当たり前のように行われているのが現状。
ヴィーガニズムの思想が良いか悪いかの問題はさておき、世界的にはかなり遅れを取っている状況と言えます。
本日のケツ論。
動物虐待という問題は、国際的な社会課題のうちの1つになっています。
動物の保護や権利を守ろうとする、社会的な流れはもう止められない。
世界の先進国の本格的な取り込みに、いずれ日本も追従する形になっていくと思います。
でないと日本の商品は輸出しても売れなくなり、対応が無ければ訪日旅行者もスムーズな滞在ができなくなる。
まず私たち個人でできることは、こういったグローバルな流れを知ることから始まると思う。
ヴィーガン専用メニューがあるレストランやイスラム教徒のハラル料理に対応するレストランが都内にも増えつつある。
同時に、きっとプロダクトへの対応も求められる時代になってゆくでしょう。
めちゃくちゃ真面目な記事になっちゃったw
では股\(^o^)/
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(関連してないやん!という意見は受けつけてましぇん)